へそ温灸療法

2010年11月14日日曜日

病の原因となるもの

陰陽気血臓腑経絡などの調和均衡が崩れた状態、またその状態を修復復元できない状態にあることが疾病でありその状態に陥れる三つの原因として、外因、内因、不内外因がいわれる。
外因は人体の外にあって病気の原因になるもので、内因は人体の中にあって病気の原因になるものである。
外因でも内因にも属さない食べ物、疲労、外傷、中毒、遺伝などは不内外因としている。

 

 外因
自然の大気は、六気に分けられる。その六気が過多、不足となったとき或は人体が著しく抵抗力をなくしたとき、六気は六淫となり病気の原因(六邪)となる。

自然の気候、【六気】(風寒暑湿燥火)が乱れると、六気は病の発生原因【六淫】になり、
抵抗力の落ちている人の発病原因を邪といいそれぞれ【六邪】風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・火邪という。

六淫
●風邪が発生すると、発病は急で風のように変化が速く、人体の表(上部・体壁表面)を侵す。
●寒邪は、肌を守る陽気を傷つけやすい。寒邪が体表に入ると、悪寒発熱頭痛を示し、より深部に達すると吐き気腹痛症状がおこる。
●暑邪は、天から受ける熱、地から受ける火が重なりそれぞれ暑邪となる。
●湿邪とは、体内の水分が、適当に排泄されないことである。
湿の性質(湿っぽく、重く、除去しにくい)を反映し、関節の痛み運動障害がみられる。
また内部に入ると食欲不振、悪心、腹張がおこり、水腫、湿疹なども湿がひきおこすものである。
●燥邪は体内の水分不足の状態をさす。皮膚の乾燥、唇の乾燥ヒビ割れ、喉の乾燥、乾咳などがある。
●火邪は熱が盛んになって火になるという意味で熱邪でもある。高熱が出て冷たいものを好む。病勢は急激で、津液を傷つけやすい。

 

 

内因
七情とは、精神情志活動のことで喜、怒、憂、思、悲、恐、驚の七つをいう。
精神的な刺激を突然過度に或は継続的に受け続けると陰陽、気血、臓腑の機能失調が引き起こされ病気となる。これを内傷という。 

「喜びは心を傷り、怒りは肝を傷り、思は脾を傷り、憂は肺を傷り、恐は腎を傷り」

●喜びは気をなごませ、健康であることの証である。しかし過度の喜は神気を消耗させ、心神を不安にさせる。
●怒は、気を逆上させ、過度になると肝を傷つけるとされている。
●憂いは、心が沈み憂鬱であり、気が閉じると脾を傷つける。
●思は、意志の力で考えることであり思が過度になれば、精神が錯乱し胃脾をも傷つけることになる。
●悲しみ、気を消し去り気力を無くさす。
●恐れは、精神の極度の緊張でおこる。また気血の不足が志を不足し恐れやすくすることもある。
●驚きは、不意の局面に出くわした場合に精神の極度の緊張をいう。

2010年11月13日土曜日

経穴(ツボ)

経穴はツボと呼ばれ、臓腑の変調の反応点であり、外邪は体表の経穴を通じて、経絡中の気血の流れを乱す。
それゆえ経穴は診察部位であり同時に治療点にもなる。
狭義には経絡上にあるものを正穴(古くから用いられた空所つぼの意味)で、
経絡外にあるものを奇穴(圧迫して痛む所、心地よい所、治療効果のある所)と呼ぶ。

経絡とは

経脈と絡脈の略称で、内部では臓腑に属し、外部では体表に分布し、くまなく全身に「気」「血」を運ぶ。
代表的なものに、十二経脈(正経)と奇経八脈がある。

2010年11月12日金曜日

気・血について

気(真気)は、呼吸によって取り入れた「天空の気」(空気)と飲食によって取り入れられた「地の気」(水穀の気)が合わさって真気(元気)ができ、生命活動の源となる。
また臓腑に配された気は心気・肺気・肝気・胃気・脾(充)気・腎気とよばれ、その機能活動の推進力となり、

経絡に配された気もそれぞれの働きを協調させ活動的になり五感を充実させる。

心気は舌に通じ五味をわからす。
脾(充)気は口に通じ食べ物の良悪を分別する。
肺気は鼻に通じ五臭をわからす。
腎気は耳に通じ音を聞く。
肝気は目に通じ五色をわからす。

 

気の名称
分布場所や作用によって名称が異なる。

・飲食物は精に分解され、営気と衛気に 二分される。このうち胸に分布された気を大気(宋気)と呼び、そこで天の気と合わさって真気(元気)と呼ばれる気になる。

・体表にある気を「衛気」、体内にある気を「営気」と呼び、上焦では「宗気」、中焦では「中気」、下焦では「元陰・元陽の気」と呼ぶ。

・生まれながらに親から受け継いだ気を「先天の気」、生後自ら作り出した気を「後天の気」と呼ぶ。

・気の陽分に当たるものを「陽気」、陰分に当たるものを「陰気」と呼ぶ。

これらの気の源はすべて「真気」でありすべての気に共通する。


「血」は
「中焦は気を受けて汁を取り、変化させて赤くする。これを血という」霊枢:決気篇
「営気は津液を分泌し、脈に注がれ、変化して血となる」霊枢:邪客篇
脾は「血」を統括し、肝は「血」を貯蔵し、心は「血」を循環させる。

また 血は「気の作用」によって全身に行き渡る。気が不足(気虚)すると血行が悪くなり、肥っていてもむくんだようになり「体肥満の証」となり、反対に気が充実していても血が不足(血虚)すると、やせて血色が悪くなる。「栄養不足の証」